競業避止・勧誘禁止の書き方

契約が終わった後の外注先・代理店・講師・協力者に、同業の仕事や顧客への連絡をどこまで止められるのか。三つの約束を分け、狭く、理由をつけて書く方法を整理します。

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「類似の事業は直接間接を問わず一切行わない」と書いた条項ほど、守りたかったものを守れなくなります。

このページの要点

  • 競業避止・勧誘禁止・守秘は別の約束として、条文を分ける。守りたい利益に対して、いちばん穏やかな約束から選ぶ。
  • 制限は、期間・地域・禁止行為・対象の顧客・見返りの五つに分けて、理由を説明できる範囲に絞る(民法90条、憲法22条1項)。
  • 「類似」「間接的」「一切」といった広い言葉は、具体的な動詞と別紙に置き換える。効力の確認文言は、制限の必要性を示さない。
  • 終了の事由ごとに扱いを分け、委託側の事由で終わったときは制限を外す。違反の認定や損害額を一方だけで決める条項は置かない。

結論:競業避止・勧誘禁止・守秘は別々の約束として、狭く、理由をつけて書く

契約が終わった後の外注先、代理店、講師、協力者に、同じ仕事をしないでほしい、顧客に連絡しないでほしい、と約束させたい場面があります。このとき最初に決めるのは、期間でも地域でもなく、「何を守りたいのか」です。守りたいものが顧客との関係なのか、教材や手順書などの情報なのか、地域での販売の余地なのかによって、使う約束が違ってきます。

書面に出てくる約束は、大きく三つに分かれます。競業避止は、同種の事業を自分で営むことや、同業の事業に関与することを止める約束です。勧誘禁止は、顧客や取引先、ほかの協力者に対して、自分の側へ移るよう働きかけることを止める約束です。守秘は、知った情報を開示せず、目的外に使わないという約束で、仕事をすること自体は止めません。

この三つを一つの条文に「競業・勧誘・情報の利用を禁止する」とまとめて書くと、いちばん広い部分の評価に条文全体が引きずられます。守りたい利益に対して、いちばん穏やかな約束から選び、足りない部分だけを次の約束で足していく。この順序が、書面を長持ちさせます。このページは、契約が終了した後の外注先・代理店・講師・協力者との契約を前提に、その組み立て方を整理します。

三つの約束は何が違うのか

三つの約束は、止める対象と、相手の仕事の自由に与える影響が違います。違いを先に表にしておきます。

競業避止・勧誘禁止・守秘の比較

項目競業避止勧誘禁止守秘
止めること同種の事業を自ら営む、同業の事業に関与する顧客・取引先・ほかの協力者に自分の側へ移るよう働きかける知った情報を開示する、目的外に使う
相手の自由への影響大きい。仕事そのものを止めるため、職業選択の自由と正面から関わる中くらい。働きかけという手段だけを止める小さい。情報を使わなければ同じ仕事はできる
守る利益の例地域での販売の余地、育成に費用をかけた成果、専属であることへの対価顧客や受講生・会員との関係営業秘密、ノウハウ、個人情報
書面の弱点範囲が広いと、制限全体が行き過ぎと評価されやすい「顧客」の範囲があいまいだと、何を守るのかが定まらない何が秘密かを特定していないと、働かない
検討する順序最後二番目最初

実務で大切なのは、最後の行です。守秘は、不正競争防止法の営業秘密(秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報で、公然と知られていないもの。同法2条6項)の保護とも重なります。営業秘密を保有する事業者から示された営業秘密を、不正の利益を得る目的などで使用・開示する行為は、同法2条1項7号の不正競争に当たります。つまり、守りたいものが情報であれば、競業避止まで広げなくても、守秘の条項と法律の保護で手当てできる部分があります。競業避止が本当に必要かを、最初に問い直してください。

守秘の条項の組み立ては、契約終了時の誓約書・確認書で、返却や削除の確認とあわせて扱っています。ここでは、守秘で足りない部分を競業避止と勧誘禁止でどう補うか、という視点で読み進めてください。

制限の有効性は何で見られるのか

契約は、特別な方式を必要とせず、合意によって成立します(民法522条2項)。ただし、合意の内容が公の秩序または善良の風俗に反するときは無効です(民法90条)。競業避止がここで問題になるのは、働く場所や事業を選ぶ自由が、憲法22条1項で職業選択の自由として保障されているからです。憲法の規定が私人の間にそのまま適用されるわけではありませんが、民法90条の判断の中で、その自由の価値が考慮されるという整理が一般的です。

制限が行き過ぎかどうかは、一つの基準で決まるのではなく、次のような要素を総合して見られるとされています。裁判例の具体的な当てはめは事案によって異なるため、個別の判断は条文と公表されている裁判例の整理で確認が必要です。

確認の問い制限を置く前に、書く側が確かめておく五つの問い

  1. 守りたい利益は何か。それは顧客か、情報か、地域での販売の余地か

    理由守りたい利益が具体的に言えないと、制限を置く理由を説明できず、広い禁止だけが残ります。利益が特定できれば、その利益に届く最小の約束を選べます。

  2. 期間は、守りたい利益が失われるまでの時間に合っているか

    理由引継ぎに要する期間、顧客との関係が薄れるまでの期間など、期間には理由が必要です。理由のない期間は、長いほど説明がつかなくなります。

  3. 地域や対象顧客は、実際に関わった範囲に絞れているか

    理由全国を一律に対象にする書き方は、実際に関わった範囲を超えます。担当した地域、取引した顧客を、別紙で特定するほうが筋が通ります。

  4. 禁止する行為は、守りたい利益を直接害する行為に絞れているか

    理由「関与」「協力」のように広い動詞は、親族の手伝いや無償の助言まで含みます。守りたい利益を害する行為を具体的に書いて、それ以外は外します。

  5. 制限を受けるぶんの見返りはあるか

    理由契約期間中の報酬の水準、制限に対する別の対価、期間や範囲を狭くする調整など、相手の負担に見合う手当てがあるかが問われます。見返りがない制限ほど、行き過ぎと評価されやすくなります。

五つの問いに答えられない条項は、書面に置かないほうが、書面全体の信用を守れます。

契約の相手が個人の外注先で、取引上の立場の差が大きい場合は、評価はさらに厳しくなる方向に傾きます。発注者が契約の内容を明示する義務(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律3条)は、給付の内容や報酬の額、支払期日などの明示を求めるもので、競業避止を直接に規制する規定ではありません。それでも、一方的に広い制限を課した書面は、公序良俗や信義則の評価で不利に働きます。広い禁止を置いて「抑止になる」と考えるより、守れる範囲で書いて「守られる」ほうが、実際には役に立ちます。

広い定義を縮める:よくある書き方と整えた書き方

競業避止・勧誘禁止の条項で一番多いのは、定義が広すぎる書き方です。「類似の業態」「間接的な関与」「顧客等」といった言葉は、書く側には便利ですが、読む側には何でも含まれるように見えます。広い定義は、相手に拒まれる原因になるだけでなく、後から争いになったときに、どこまでが禁止なのかを説明できなくします。

書き方の例(一般的な例) 禁止の範囲を縮める

禁止する事業

△ よくある書き方甲が現在または将来営む事業と同種または類似の事業を行ってはならない。
○ 整えた書き方本契約において乙が提供していた〇〇と同じ内容の役務を、本契約の履行を通じて取引のあった顧客に対して、自己または第三者の名義で提供してはならない。

理由「将来営む事業」は、契約時に相手が知り得ない事業まで含みます。実際に提供していた役務と、取引のあった顧客に絞れば、守りたい利益との結びつきが説明できます。

関与の態様

△ よくある書き方直接または間接を問わず、一切の方法で関与してはならない。
○ 整えた書き方自ら提供すること、および第三者が提供するものを自己の名義で受注することを行ってはならない。

理由「間接的な関与」は、家族の手伝い、無償の助言、出資まで届きます。守りたい利益を害する行為だけを動詞で特定します。

対象の顧客

△ よくある書き方甲の顧客等(過去および将来の見込み顧客を含む)に対して勧誘してはならない。
○ 整えた書き方本契約の期間中に乙が担当した顧客のうち、別紙に記載した者に対して、同種の役務の契約を勧誘してはならない。

理由見込み顧客まで含めると、誰が対象なのか、相手に分かりません。担当した顧客を別紙で特定すれば、禁止の範囲を相手が確認できます。

期間

△ よくある書き方契約終了後も、別途甲が通知するまでの間。
○ 整えた書き方本契約が終了した日から〇年間。

理由期間は、書面の中で終わりの日が確定する書き方にします。守りたい利益が薄れる時期に合わせ、理由を説明できる長さにします。

効力の確認文言

△ よくある書き方乙は、本条が職業選択の自由を不当に制限するものではないことを確認する。
○ 整えた書き方確認文言は置かず、前文または別条に、守りたい利益(例:取引先との関係を引き継ぐ間の保護)を書く。

理由当事者が確認したと書いても、公序良俗に反するかどうかの判断は動きません。理由を書いたほうが、制限が必要最小限であることを示せます。

表の一番下の「確認文言」は、見落とされがちな点です。条項に自信がないときほど、「不当に制限するものではないことを確認する」と書き添えたくなりますが、この種の文言は、署名した事実を重ねるだけで、制限が適正であることを示す材料にはなりません。示すべきなのは、守りたい利益と、それに届く最小の制限の範囲です。

定義語を使う場合は、初めて出てきた場所で意味を決めます。「顧客」「競合事業」「本役務」といった語を、定義の条文より前の条項で使うと、読む人は前後を行き来して意味を探すことになります。定義の置き方は誓約書の書き方で、前文と条項の並べ方とあわせて整理しています。

守りたい利益は、契約の相手の種類によっても違います。同じ「契約終了後」の制限でも、何を守るのかを関係の種類から考えると、絞り込みの方向が見えてきます。

関係の種類ごとの起きがちなことと防ぎ方

外注先

起きがちなこと受けていた仕事で知った非公開の情報が、ほかの発注者への営業に使われる。逆に、発注者がほかの取引まで制限しようとして、署名を拒まれる。

防ぎ方外注先は、もともと自分の事業を営む者です。ほかの発注者との取引は制限せず、知った非公開の情報と、引き合わせた顧客への直接の働きかけに絞って書く。

代理店

起きがちなこと担当していた地域の顧客と、教わった営業の手順を持って独立し、同種の商品を直接販売する。

防ぎ方地域と商品を契約書で特定し、守秘と、担当した顧客への勧誘禁止を中心にする。競業避止を置くなら、地域の独占や支援の見返りを説明できるようにする。

講師

起きがちなこと教材や受講生との関係を使って、別の場で同じ内容の講座を開く。受講生に個別に連絡する。

防ぎ方教材の利用範囲は権利の取扱いとして別に定め、受講生への連絡は、担当した受講生のうち別紙で特定した者への勧誘禁止にとどめる。

協力者

起きがちなこと制作や運営の過程で知った手順を、ほかの場で再現する。取引先に直接連絡する。

防ぎ方手順やノウハウは守秘の対象として特定する。取引先への連絡は、引き合わせた取引先に限って禁止する。

四つの関係に共通するのは、守りたい利益が、その関係の中で相手に渡したもの、つまり、引き合わせた顧客、教えた手順、開示した情報に限られる、という点です。相手がもともと持っていた顧客や技能、相手の独自の工夫は、守りたい利益には含まれません。条項の対象を「渡したもの」に絞ると、制限の範囲を、相手にも説明しやすくなります。反対に、関係の種類を区別せず、どの相手にも同じ文面の競業避止を貼り付けると、実際の関係に合わない広い禁止が混ざります。

この区別は、書面を使い回すときにも効いてきます。他の取引先に使ったひな形を転用するとき、前の取引にあった地域や商品、顧客の定義が残っていないかを確かめてください。残った定義は、今回の相手にとっては、関係のない広い制限になります。

契約中と終了後で、制限の意味は変わる

同じ競業避止でも、契約が続いている間の約束と、契約が終わった後の約束は、性格が異なります。契約の期間中は、専属の契約や独占的な販売の契約のように、相手がほかの事業者のために同種の仕事をしないことが契約の目的の一部になっている場合があります。この場合の制限は、契約の目的に結びついているため、説明しやすい面があります。

契約が終わった後は、相手は自分の事業を自由に行う立場に戻ります。そこに制限だけが残るのですから、契約中よりも、理由と見返りが厳しく問われます。契約中の制限を、そのまま終了後にも延ばす書き方は避け、終了後の制限は別の条項として、期間・範囲・対象を改めて絞って書きます。

もう一つ、終了の事由によって扱いを分ける工夫があります。契約が終わる経緯は一つではありません。委託する側の債務不履行で解除された場合にまで、受託する側に制限が残るのは、不合理に見えます。終了の事由ごとに、制限をそのまま適用するか、緩めるか、外すかを、あらかじめ決めておきます。

終了の事由ごとの制限の考え方

終了の事由制限の考え方書き方の工夫
期間満了契約の目的を最後まで果たして終わるので、守りたい利益を保護する制限は説明しやすい。更新しない旨の通知の有無で、制限の始期が動かないように、起算日を「契約が終了した日」に統一する。
合意による解約合意の際に、制限の扱いを確認する機会がある。合意書や終了時の確認書に、制限が存続する条項を条番号で明記して再確認する。
受託側の債務不履行による解除制限を残す理由が最も説明しやすい。債務不履行が解除の原因であることを、条文で明らかにしておく。
委託側の債務不履行による解除制限を残すと不合理に見える。この場合は競業避止を適用しない、または勧誘禁止のみ残すなど、緩める定めを置く。
中途解約解約の自由と制限が衝突しやすい。予告期間の定めと、制限の期間を連動させるなど、解約した側に過大な負担が残らない調整をする。

終了時の確認書の作り方と、制限条項が存続する旨の書き方は、契約終了時の誓約書・確認書の側で扱います。稼働の開始時にどこまで書いておくかは、業務委託・協力者の稼働開始時の誓約書で整理しています。開始時に広く書きすぎると、終了時に確認する内容が重くなります。

立証責任を動かす条項と、違反したときの条項

競業避止・勧誘禁止の条項には、違反があったときの扱いを先回りして書いたものが付いていることがあります。典型は、違反の有無と損害の額を発注者側が決める、受託者は違反の事実を争わない、という書き方です。争いになったときの立証の負担を、あらかじめ相手に寄せておく狙いですが、このような条項は、書面全体の信用を落とす方向に働きます。

書き方の例(一般的な例) 違反のときの扱い

違反の認定と損害額

△ よくある書き方違反の有無および損害の額は、甲の算定によるものとし、乙はこれに異議を述べない。
○ 整えた書き方甲は、違反の事実と損害の算定の根拠を乙に書面で示し、乙は〇日以内に意見を述べることができる。損害の額は、協議のうえ定める。

理由一方が決められるという条項は、相手の反論の機会を奪います。根拠の提示と意見を述べる機会を置くほうが、後から手続の公正さを示せます。

争わない合意

△ よくある書き方乙は、本条の効力について一切争わない。
○ 整えた書き方削除する。

理由効力そのものを争わないという合意は、公序良俗に反するかどうかの判断を排除できません。残しておく意味が小さく、相手の不信だけを招きます。

違反の効果

△ よくある書き方違反した場合、乙は違約金を支払うほか、甲に生じた一切の損害を賠償し、甲は直ちに契約を解除できる。
○ 整えた書き方違反があったときは、甲は違反行為の停止を求めることができる。損害の賠償を求める場合は、違反と因果関係のある損害に限る。

理由違約金と一切の損害の併記は重い書き方です。違約金の扱いは、念書の側の整理(賠償額の予定の推定)と合わせて決めます。

違約金を置く場合は、民法420条3項が、違約金を賠償額の予定と推定している点を押さえておく必要があります。これは、違約金を定めたときに、別に実際の損害を上乗せして請求できるとは限らない、ということです。念書や誓約書で違約金・保証人・差押えの承諾を並べるときの限界は、念書に違約金・保証人・差押えの承諾を入れるときで整理しています。

営業秘密の不正な使用・開示については、不正競争防止法に差止めなどの規定があります。契約の条項を足すより前に、その規定で足りる場面があることも、制限を絞る理由になります。条項で補うのは、守りたい情報の範囲や、秘密である旨を相手が認識できるようにする部分です。

書面の例:勧誘禁止を中心にした組み立て

ここまでの整理を、契約が終了した後の協力者を想定した、一般的な書き方の例にまとめます。競業避止は置かず、勧誘禁止と守秘で守りたい利益を守る形です。数字や名称は伏せています。

書面の例

契約終了後の勧誘禁止に関する確認書(例)

〇〇 御中

  1. 乙は、〇〇契約(以下「本契約」といいます。)が終了した日から〇年間、本契約の期間中に乙が担当した顧客として別紙に記載した者に対し、本契約の対象であった役務と同種の役務の契約を、自己または第三者のために勧誘しません。
  2. 前条の定めは、顧客のほうから乙に自発的に連絡があったときに、乙が通常の範囲で応対することを妨げません。ただし、乙は、甲の名称や標章を使って勧誘しません。
  3. 乙は、本契約の履行を通じて知った甲の営業秘密および顧客の個人情報を、本契約の目的以外に使用せず、第三者に開示しません。この義務は、本契約の終了後もなお存続します。
  4. 乙が甲の債務不履行を理由として本契約を解除したときを除き、前各条の定めは、本契約の終了後も存続します。
  5. 乙が第1条に違反したときは、甲は、違反行為の停止を求めることができます。損害の賠償を求めるときは、甲は、違反の事実と損害の算定の根拠を乙に書面で示します。

年 月 日

住所

氏名

第4条の除外は、委託側の事由で終わった場合に制限を残さないための調整です。別紙の顧客の特定は、個人情報を含むため、保管の方法まで別に決めておきます。

この例では、競業避止を置いていません。置く場合は、第1条の前に、禁止する役務の範囲、地域、期間、見返りを、一条ずつ独立させて書きます。そのうえで、前の節の五つの問いに、条文ごとに答えられるかを確かめます。答えられない条文が一つでも残るときは、その条文を削るか、勧誘禁止か守秘に置き換えるほうが、書面全体の評価が安定します。

書面を出す前の点検

  • 競業避止・勧誘禁止・守秘を、別々の条文に分けている。
  • 守りたい利益を、前文または別条に具体的に書いている。
  • 期間の終わりの日が確定する書き方で、期間に理由がある。
  • 対象の顧客や地域を、担当した範囲として別紙などで特定している。
  • 「類似」「間接的」「一切」といった広い言葉を、具体的な動詞に置き換えている。
  • 委託側の事由で終わった場合の扱いを決めている。
  • 違反の認定や損害額を、一方だけで決める書き方になっていない。

起きがちなこと

競業避止・勧誘禁止で起きがちなこと

  • 三つの約束を一条にまとめて書いたため、いちばん広い部分が行き過ぎと評価され、守りたかった守秘の部分まで説得力を失う。
  • 「顧客等」に見込み顧客や将来の顧客まで含め、相手が誰に連絡してよいのか分からなくなり、署名を拒まれる。
  • 契約中の専属の定めを、そのまま契約終了後にも延ばし、終了後の制限だけが理由なく残る。
  • 委託側の債務不履行で解除された場合にも制限が残る書き方になっており、交渉の場で不合理だと指摘される。
  • 「不当に制限するものではないことを確認する」と書き添えたものの、守りたい利益は書かれておらず、制限の必要性を説明できない。
  • 違反の認定と損害額を一方が決める条項を置き、争いになったときに、書面の公正さそのものが争点になる。
  • 営業秘密として守れる情報があるのに、情報の特定や秘密の表示を怠り、競業避止だけに頼ってしまう。

よくあるご質問

契約終了後の競業避止は、書いてあれば必ず有効になりますか?

なりません。契約は合意で成立しますが(民法522条2項)、公序良俗に反する内容は無効です(民法90条)。制限の有効性は、守りたい利益、期間、地域、禁止行為の範囲、見返りの有無などを総合して見られるとされています。書いてあることと有効であることは別で、範囲を絞り、理由を示した書き方が、後の評価に耐えます。

競業避止と勧誘禁止は、どちらから検討すべきですか?

守秘、勧誘禁止、競業避止の順に検討します。守りたいものが情報なら守秘で、顧客との関係なら勧誘禁止で足りることが多く、仕事そのものを止める競業避止は、ほかの手段で守れないときに限って、範囲を絞って置きます。相手の自由への影響が大きいほど、理由と見返りが厳しく問われます。

期間はどのくらいに設定すればよいのでしょうか?

決まった長さはありません。引継ぎに要する期間や、顧客との関係が薄れるまでの期間など、守りたい利益が失われる時期に合わせ、理由を説明できる長さにします。期間の終わりの日が書面の中で確定することと、起算日を契約が終了した日に統一することも、書き方の基本です。

相手が署名を拒んだ場合、制限を弱めて署名してもらうことはできますか?

できます。期間を短くする、対象の顧客を別紙で特定する、競業避止を外して勧誘禁止と守秘にとどめる、といった調整は、書面の信用を高める方向の修正です。署名を求める際の説明や、条項の修正の要望への対応は、署名の取り方を扱うページで整理しています。

違反があったとき、違約金を定めておけば損害の立証は不要になりますか?

違約金は賠償額の予定と推定されます(民法420条3項)。額を定めておけば、損害の額の立証を省ける面はありますが、額が過大であれば公序良俗の問題になり、相手が消費者であれば消費者契約法の規制もあります。違約金の額と書き方は、念書の側の整理とあわせて決めます。

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